8月2日、有楽町の松尾ホールに木下淳さんのコンサートを聴きに行ってきた。
木下さんはアマチュアピアニストだが2009年にワルシャワで開催された「第1回アマチュアのためのショパン国際コンクール」に出場し入賞を果たした実力の持ち主。ラ・フォル・ジュルネでも演奏するなどアマチュアながら国内外で活躍している。
今年の9月に開催される2回目のコンクールにも出場が決まっており、今回の演奏会もオール・ショパンプログラムとなった。

全体的な仕上がりについては、木下さんもまだいろいろ試行錯誤してるようなところもあったようなので、細かい部分についてはあえて触れないでおこう。
木下さんの特徴は、マットなトーンの中にニュアンスをつけるのがとても上手い。分かりやすく言うとモノクロの世界にそっと色をさせる、いわゆるセンスのいいピアニストなのだ。その特徴はプログラム前半のマズルカやアンコールで弾いたノクターン、ワルツなどで活きる。
コンクール用のプログラムとなると、どうしてもいろんなタイプの曲で組み立てなければならないのでバランスをとるのが難しい。

こういうクラシックコンサート、中でもピアノのようなソロ楽器だと、技術的に表面だけ固めて中身のない演奏を聴かされることほど苦痛な事もない。
今回木下さんは曲によって、または曲の部分で、いろいろやろうとしているのがしっかり伝わってきて、最後まで飽きることなく聴くことができた。木下さんのことだから9月に向けてしっかり仕上げられると思うので心配はないだろう。最後に、一つだけ気になったことがあったのでメモ代わりに。作品30のマズルカのような個性的な解釈とは反対に、最後のポロネーズはオーソドックスな解釈で(これ以外の弾きようのない曲ではあるが)方向性がそれぞれあさってを向いてるように感じた。
第2回大会は日本から木下さん以外の人も出場されるようなので、みなさんがんばって欲しい。木下さんはその中でもリーダー格としてみなさんを引っ張られるだろう、活躍を期待している。